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ノウハウゼロからの海外進出

シンガポールにて初の現地法人設立。海外進出に向けた組織づくりの取り組みについて。

ライター
GBIJ編集部
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はじめての海外進出パートナー選び。外部人材活用のポイントとは。

池田:今回、貴社の初の海外事業としてASEAN進出の足掛かりとしてシンガポールに現地法人を作るプロジェクトでご提案をさせていただきました。私の手帳を読み直してみますと2014年に当社のウェブサイトからお問い合わせいただいたのが始まりでした。お伺いしたかったのが、海外進出のノウハウがない中でのパートナー選定をするということ自体、いろいろ課題や問題意識があったと思うのですがそのあたりのお話をお伺いしてもよろしいでしょうか?

川崎:2014年の夏頃にそろそろ海外に取り組もうかなと考えたときに、まず一番はじめに我々の社内には国内事業のノウハウしかないよね、海外を担当できる人材もないよね、というところからはじまりました。そこで協力いただけるパートナーを選ばなくてはならないということになりパートナー探しを始めたのですが、まず最初にパートナー選定をする上で見定めなければならないと思っていた点が2点ありました。

まず1点目は先ほどからお伝えしているような当社の人材や組織の現状を理解した上で足並みをそろえてご提案いただけるパートナーでなければいけないという点です。
2点目は実際に海外での現場感覚を持つ経験者であることですね。

それを踏まえてコンサル会社や海外進出支援企業のウェブサイトを見ていきました。インターネットで検索しただけでもかなりの数があったので大変でしたが、1社ずつ、1ページずつ、クリックして確認してきました。そこで多くのウェブサイトを目にしたのですが、かなりアバウトと言うか、綺麗な海外進出の支援だったのですね。でも、私のこれまでの過去の経験から海外で事業を進めるとなると、綺麗事だけで行けないということも理解していましたし、むしろ、泥臭い部分が非常に重要ということをわかっていましたので本当の意味でのパートナー選びは難しいものだ、と思いながらもリサーチを進めていました。

池田:実際、何社くらいご相談されたのですか?

川崎:いくつかの企業にご相談に伺いました。ただ案の定、「そんな一般論を聞きにきたんじゃないよ」って言いますか、例えば、ASEANが絶対に良いですよ、ASEANではこれからミャンマーですね、こういう会社がこういう国で、こういうビジネスで伸びているのでどうですか?といった定型のメニューのような提案をされまして。会社ごとに実情と合う、合わないがあるじゃないですか。こういうご提案を受けるのはなかなか厳しかったですね。

池田:我々も海外進出支援のあり方を考えたときに、出来上がったパッケージがあって、メニューがあって、この中からどれを選びますか?という形では対応できないだろうなと当初から考えていました。会社ごとにリソース状況も自社内にあるノウハウもビジネス環境も違いますよね。どこにゴールを置くかも当然異なります。

川崎:そうですね。私自身は海外経験がありましたが、支援する側もそういう経験のある人たちじゃなければ、海外進出をする際に本当に必要な部分が分からないと実感しています。例えば、東南アジアに進出する際は旧正月が終わると従業員の中には帰ってこない人が多い、などそういう落とし穴があることはパッケージ型のコンサルティング会社などでは口に出しません。現場経験の有無というのはそういう知識や経験含めて非常に重要です。

池田:当社の「グローバル顧問」はその海外での実務経験の有無という部分が重要だという仮説を持っていて、お客様の課題を確認した上で必要とされているスキルであったり、経験を持っているエキスパートを課題に応じてサポートさせていただくのが一番のポイントだと考えているのですね。コンサルティングメニューが自社のコンサルタントの人数などのリソース上の問題でパッケージ化、メニュー化せざるをえない形ではお客様の実情にあっていかないのではないかなと考えています。我々のところは、何千人という海外実務、現地での経営経験豊富な顧問が控えていますので、お客様のステージや課題の応じてサポートさせていただける部分を評価していただけたのかな、と感じています。

川崎:そうですね、今回は大手ゼネコン出身のお二人の顧問さんをご紹介いただきましたが、例えばここまではAさんとBさんにお願いし、ステージや課題が変わったら課題に応じて、国に合った、その国の中でもこういう問題はCさん、また別の問題はDさんへ、といった形であらゆる選択肢を選べるという独特なビジネスモデルは海外の現場感覚を持つ経験者を求める我々の期待にピッタリあっていましたね。

池田:今回、お話をお伺いして最初はアジア在住のゼネコンOBを1人だけ探そうと思っていたのですね。ただ候補者を選定する中で、同時に現地にお伺いしながら御社の状況を詳しくお伺いしていて、本件は海外在住の顧問を電話で高松とつないで提案を進めるのは現実的にかなり難しいと思ったのです。ですから、日本側でも御社側のご要望を膝詰めで斟酌できて、かつ、海外をコントロールできる方を同時に探さなきゃいけないなということで日本在住の顧問も探し始めました。結果、国内と現地の二人の顧問でフォローさせていただく体制となりました。

川崎:結局、私としては池田さんに、四電工はどういう会社なのか、我々が何をしたいのか、何をしようとしているのか、をご理解いただくためにやっぱり百聞は一見に如かずということで、トマト栽培事業やメガソーラーの現場も行っていただきましたし、研修施設にも来ていただきました。その結果、我々のポテンシャルなど、自身が気付かないところも、気付いていただけるなと思ったのが採用の決め手でした。やはりそこまでしないと、新しいことは何もできないと思います。特に海外ですからね。

池田:今回は何回も現場を拝見させていただいて、四電工様の輪郭がよく理解でき、私としてはたいへんありがたかったです。

川崎:何度も言いますけど、たまたまテーマが海外であって、本当のミッションは収益源の拡大。それをどうやってやるのか、と。それにノウハウも知見もない分野だったので、この人たちだったら、我々のことを理解していただけるし、妙な押し付けもない、ということでサイエスト社に依頼をし、様々な細かいこともお頼みして、やっとここまで来ました。今後はシンガポールを中心としたASEANの中で、更なる受け皿作りをサイエスト社のご協力もいただきながら進めていきたいと思います。

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川崎 博

PROFILE

川崎 博(かわさき ひろし)

慶應義塾大学 経済学部卒。1977年、四国電力(株) 入社後、営業・企画系部門等を歴任。2010年に四国電力(株)徳島支店 支店長室長から四電工(株)理事 事業開発部長に就任。その他、1985年~1987年に日本エネルギー経済研究所(東京)、1989年~1991年に海外電力調査会ワシントン事務所に所属。

池田 仰

PROFILE

池田 仰(いけだ あおぐ)

米国ハワイ州立大学卒業。台湾企業の日本代表を経て、(株)バークレーヴァウチャーズ代表取締役社長、(株)JACリクルートメント執行役員などを歴任。2014年にサイエストに参画。グローバル顧問事業部に所属。