Interview 

顧問派遣サービスで実現する「持たない経営」 ~専門商社 新規事業開発編~

ライター
佐々木正孝
カメラマン
安藤 史紘
このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

本特集では、「海外ビジネスに特化した顧問派遣サービス『グローバル顧問』」をご利用頂いている企業に対し、顧問派遣サービスを利用するにあたり、どのような経営課題を持ち、どのように解決に取り組んだかについて、インタビュー・対談・取材を通じて明らかにする。

中近東、北アフリカ地域専門の商社として事業を展開をする太陽商事株式会社、代表取締役の中部氏には前回の記事で「専門商社の新規販路開拓」について語って頂いた。創業者が立ち上げた地域特化型の専門商社を事業承継し、自社の将来を見据えた際に、経営課題として新規事業、新規販路の開拓を設定した中部氏。専門商社という立ち位置にあって、現在新規事業として、OEMによる製品開発を進めている。後編となる本稿では顧問派遣サービスを利用した新規事業開発について、どのように取り組んだのか、また、その中で顧問派遣サービスが発揮した価値について、お話を伺った。

ノウハウゼロから、OEMで製品開発へ

太陽商事は専門商社ですが、OEMで製品開発も取り組み始めたと伺いました。背景をお伺いしてよろしいでしょうか?

中部:はい、顧問派遣サービスを活用し始めた後のことですが、OEMでの製品開発についても事業として取り組み始めました。ただし、当初からOEMを構想していたわけではありません。中近東・北アフリカ圏の専門商社として実績を積んだ結果、さまざまなメーカーから引き合いや問合せが増えてきました。ここで、メーカーの海外進出をサポートする立場にも立つと、よりモノづくりに近い立場からサポートする必要を感じるようになったのです。

例えば、医療機器を海外に輸出する際の障壁です。ここで中小メーカーは認証の壁にぶつかります。欧州ならCEマーク、アメリカならFDAといった認証機関から適合審査、承認を取得しなければなりません。メディカル領域は参入障壁が高いと言われているゆえんですね。資金や人的リソースに勝る大手メーカーは自社でCEやFDAなどの認証を取得し、海外進出をすることも容易です。しかし、これまで、国内市場に専念していた中小メーカーが海外進出を図ろうとしても、認証取得に踏み切れるだけのマンパワーもノウハウもない。さらに、1ライセンス数百万円というコストにも二の足を踏み、海外進出を断念することも少なくありません。

海外進出に際して、リソースのないメーカーの課題解決を太陽商事がサポートしていく部分にニーズがあったということでしょうか。

中部:はい。私たちは専門商社の立場から、ソフトに投資できずに海外進出の機会を失っているメーカーをアシストするために何ができるかについて、リサーチを進めました。そして、顧問派遣サービスを活用し、モノづくりの知見を持つ顧問からノウハウを得ていったのです。

そのプロセスを経るうちに、いつしか太陽商事が医療機器の製造にも関わることになり、新しい事業領域も視野に入ってきたのです。

先ほどのケースでは、グローバル顧問でメディカル領域の「CE マーク取得経験者」を探したところ、ピンポイントで最適な顧問に出会うことができました。新規販路の開拓に知見をいただいた時と同様、外部人材を活用することが柔軟な事業展開をもたらしてくれると考えています。

海外への製品輸出となりますと、認証取得、基準適合などなど、海外輸出以上に障壁が高そうに思えます。

中部:それがそうでもないんです。海外の場合、ヨーロッパならCEの認証があれば販売できます。むしろ国内の方が煩雑です。海外の製造では取らなくていい製造販売業の許可を得て、そのための要件として品質保証と安全管理の体制を整えなければなりません。さらに、管理責任者の他に三役という責任者を置くことも必須。私たちが理想とする少人数の経営規模では、到底まかなうことはできないでしょう。

そこで、海外の販売を先に手がけ、もし国内にニーズがあったら逆輸入というスタイルでもいいのではないかと考えたのです。日本には業界ならではのしがらみなどもありますが、海外はそのようなものはありません。いい製品、サービスならシンプルに受け入れるフラットさがあります。だったら、そこで認めてもらおうと考える方が合理的だし、シンプルでないかと思います。

持たない経営、軽い組織だからできる、モノづくりの可能性

OEMでの製品開発を行った背景には、中小メーカーの海外進出により深くかかわりたいという意図があったわけですね。モノづくりを商社が側面支援するためには、知見のある人材が欠かせません。実際にモノづくりに携わるようになって、何か気づきはありましたか?

中部:人命に関わることもあり、医療機器は安全面を重視する傾向にあります。それは、見方によっては、デザイン面では武骨な印象も与えてしまうことがあるかもしれません。

そこで使い勝手、ユニバーサルデザインを考えていく中でデザイン会社も座組みに加え、チームとして海外に輸出する医療機器の開発を目指すようになりました。「デザイン的観点、機能美も大事にしながら、医療機器開発に取り組んでいきたいと考えています。

OEMの製品開発には、プロジェクトごとに外部人材と連携し、最適なプロジェクトチームを編成できるようになったことも寄与しています。顧問から経営全体のアドバイスをいただく中で、モノづくりに知見を持つ方の示唆が戦略立案の一助になりました。太陽商事、顧問、開発会社、デザイン会社それぞれが独立したスペシャリストとして製品開発に関わることで、戦略は非常に合理的なものになったと感じています。

顧問の活用で経験値を積んだことで、外部人材との協業も進めやすくなりました。開発会社やデザイン会社などの外部組織、人材ともスムーズに連携ができ、最適なプロジェクトチームで仕事を回していく文化が出来上がりつつあります。

中部万里子

PROFILE

中部万里子(なかべまりこ)

大学卒業後、株式会社リクルートHRマーケティングに入社。HR営業のキャリアを積み、株式会社リクルートへ出向。事業開発室で医療、介護の事業立ち上げに携わる。2009年に株式会社太陽商事に入社。先代の父から事業を引き継ぎ、2014年に代表取締役社長に就任。グローバル顧問の導入、新規事業の展開などを意欲的に手がけ、先代が築いた事業を基盤としてさらなる飛躍を目指す。

上場企業役員OB、グローバル企業のエグゼクティブ出身の
グローバルビジネスのエキスパートが、
貴社の海外ビジネスを実行支援型で支援いたします。

海外進出支援に特化した、顧問派遣サービス

お問合せ・ご相談 顧問登録